今回はサロンとしての与えるものの中で
理学療法士という経験がもたらした結果のお話です。
少し前にご来客された方。
繊細な感性の方で、それ故にいろいろなストレスを抱えて
肩の張りなどが身体の症状として訴えにでていました。
そこで、施術に入る前に座って背中を触らせていただき、
慢性痛にたいして理学療法的にゲートコントロールという理論で取り除いて、
施術時に触れることを気持ちよく感じてもらうためのセッティングを行ってから、通常の施術をさせていただきました。
痛みには急性痛と慢性痛があります。
急性痛は名の通り、患部直接の負傷の痛みの事ですが、
慢性痛とは、名の通り、痛みが長く続いている状態をいいます。
病気やケガによる痛みはほとんどが一過性のものですが、
痛みがひどかったり長引いたりすると、
原因自体がなくなっても、いつまでも痛み続けてしまう場合があります。
しかし、病気やケガの原因はなくても、慢性痛の原因はあります。
『認知的側面、情動』です。
認知的側面とは痛みを思い出して身構えている姿勢。
ここは痛いんだと自分で決めつけている認知。
情動は悲しみ,怒り,恐れなどの感情の起伏です。
どうしてそれらが痛みとなるのか、
情動によるストレスが交感神経を亢進してしまう事と、
慢性痛の神経の伝達経路は、
『大脳辺緑系』という情動をつかさどる部位に
信号の一部を投射するからです。
つまり、慢性痛は脳の思い込みで感じている痛みの可能性が高いのです。
さきほど、私は治療の理論「ゲートコントロールをつかって」と書きました。
ゲートコントロールという理論について。
人間の痛覚と触覚はいずれ一つの回路につながりますが、
触覚の信号は痛覚より早く、優先されます。
これをつかって、「痛みの感覚」に「触る感覚」を上書きして、
痛みの情動のサイクルを遮断する。簡単にいうとそんな理論です。
これらより、
今回私が行ったのは、慢性痛に悩む方に対して
「ゲートコントロール理論」で慢性痛の情動のサイクルを一時的に遮断して、
その後、本来の施術により瞑想的感覚を味わうことで
よりストレスの軽減につながり、
慢性痛に関わる心理的要素にアプローチできたと考えます。
とはいえ、私の施術の軸は本来の施術で与える瞑想的感覚にあります。
。
その感覚による影響と自分の理学療法的アプローチをかけあわせて
治すというより、慢性痛という鎖を少し取り除いた身体へシフトしたということです。
何よりその時の心地よさと、これからの軽さを。

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